第24回SWO研究会
■開催日時:2011年6月22日(水)-23日(木)
■会場:浜名湖かんざんじ荘(http://www.kanzanji.com/)
(JR浜松駅から送迎バスを運行する予定です)
■テーマ:「構造化知識の構築・利用の実際」または「一般」
■参加費:宿泊費12,000円(夕食[懇親会],朝食代を含む)+参加費1,000円
◆発表資料の一括ダウンロード(ZIP形式,12.2MB)◆
<6月22日(水)>
13:00~13:05 開会の挨拶
13:05~13:30 SIG-SWO-A1101-01
生命科学分野におけるセマンティックWeb技術を利用したデータリソースの公開
○藤原 豊史(株式会社インテック),山口 敦子,山本 泰智(ライフサイエンス統合データベースセンター)
生命科学分野におけるセマンティックWeb技術の利用は浸透しつつあり、データリソースのRDF化、オントロジーの整備が徐々に進められている。我々は現在、生命科学分野の略語とその展開形を検索するためのサービス「Allie」を開発・運用しているが、そこでの利用を想定し、生物医学分野における書誌情報データベースのMEDLINE(約2000万件)から抽出した略語・展開形の構造化データを作成している。今回の発表では、作成したAllieのデータリソースを基にしたリンクトデータの構築およびオントロジーの定義について、作業過程および残された課題を報告する。
発表資料: (430KMB, updated 2011.06.16 14:00)
13:30~13:55 SIG-SWO-A1101-02
住民参画Webプラットフォームのためのニュース記事と意見の構造化
○平田紀史, Robin Swezey, 佐野博之, 白松俊, 大囿忠親, 新谷虎松(名古屋工業大学)
本研究では,地域の住民参画を支援することを目指し,地域のニュースや住民意見を蓄積して公開するシステムを開発している. 地域の問題にそれほど詳しくない住民の参画には,問題に対する背景情報やそれに対する他者の意見などが補助となる. そのために,ニュース記事から背景情報を,マイクロブログから問題に対する意見を収集し,Linked Dataとして構造化して蓄積する.
発表資料: (2.04MB, updated 2011.06.16 14:00)
13:55~14:20 SIG-SWO-A1101-03
Linked Data作成支援ツールの現状と課題
○加藤 文彦(国立情報学研究所)
Linked Dataが発展していくためには,様々な生データを手軽にLinked Dataの形式にして公開する方法が必要である.本報告では,現在存在するLinked Data作成支援ツールを紹介して,その問題点や課題を議論する.
発表資料: (219KB, updated 2011.06.16 14:00)
14:20~14:45 SIG-SWO-A1101-04
Linked Dataによる芸術・文化情報統合の試み
○嘉村 哲郎(総合研究大学院大学,東京藝術大学),加藤 文彦,大向 一輝,武田 英明(国立情報学研究所),高橋 徹(ATRメディア情報科学研究所),上田 洋(株式会社ATR- Promotions)
芸術・文化領域は未統合かつ複雑な構造,語彙を有した情報が数多く存在する.とくに博物館では大量の情報を有しており,複数館の情報統合や横断検索などの研究が以前より行われている.本研究では,あたらしい情報流通の仕組みとなるであろう,Linked Dataの仕組みを用いたプロトタイプシステム「LODAC Museum」を構築し,文化・芸術とその他の多様な情報を統合することで新たな発見や知の獲得の可能性を探る.
発表資料: (707KB, updated 2011.06.17 14:45)
14:45~14:55 全体議論
14:55~15:10 休憩
15:10~15:35 SIG-SWO-A1101-05
評定尺度の関係に着目した色彩感情の構造
○村松慶一(早稲田大学大学院人間科学研究科),戸川達男(早稲田大学人間総合研究センター),小島一晃,松居辰則(早稲田大学人間科学学術院)
色に対する感情は色彩感情と呼ばれ,SD法に代表されるように評定尺度を用いて測定される.SD法および因子分析によって明らかにされる色彩感情の構造は,刺激の評定に用いる評定尺度に依存する.その意味で,評定尺度はそれが表している意味の次元によって評価的(Evaluative)尺度と記述的(Descriptive)尺度に分けられる.本研究ではそれらの尺度同士の関係構造についてオントロジーを用いた表現を試みた.
発表資料: (277KB, updated 2011.06.16 14:00)
15:35~16:00 SIG-SWO-A1101-06
外部知識および集合知を利用したニュースオントロジー構築に関する検討
○宮崎勝,後藤淳,熊野正,加藤直人,田中英輝(NHK放送技術研究所)
事故、災害といったニュースイベントに関するニュース記事群を検索し、映像とともに再構成して自動提示するMultimedia News Aggregatorの開発を進めている。適切な記事を検索し、ユーザの理解しやすい形式で再構成するためには、ニュースイベントを伝える際に必要なニュース要素(例:「概要」「原因」「影響」など)およびその要素がどのような概念(単語)で構成されているのかを明確に定義したオントロジーが必要となる。本発表では、wikipediaおよび日本語wordnetを外部資源として用いることにより、実際の記事群からニュースオントロジーを構築する手法を提案する。
発表資料: (437KB, updated 201106.16 14:00)
16:00~16:15 SIG-SWO-A1101-07
解剖学オントロジーを用いた情報抽出のための機能要件の検討
○湯本正典,今井健,桜井亮太,林亜紀,佐藤恵,梶野正幸,大江和彦(東京大学医学部附属病院 企画情報運営部)
医療の電子文書を正確に処理するためには、計算機が医学知識を「理解する」必要がある。私たちは、「医学辞書」を計算機上に「オントロジー」形式で実装している。計算機が、その辞書(オントロジー)を参照すれば、医学情報をより正確に処理できるようになる。今回は記載が充実してきた解剖学オントロジーを取り上げて、情報参照のアプリを設計し、考察を行った。
発表資料: (387KB, updated 2011.06.16 14:00)
16:15~16:50 SIG-SWO-A1102-08
臨床医学オントロジーにおける疾患連鎖モデルの考察
○古崎晃司,国府裕子,山縣友紀(大阪大学産業科学研究所),今井健,大江和彦(東京大学医学系研究科),溝口理一郎(大阪大学産業科学研究所)
疾患を理解する上で,その疾患が何を起因としており,どのような結果(病態や症状)を引き起こすかを適切に捉えることが重要とされる.そこで本研究で構築を進めている臨床医学オントロジーにおいては,疾患を患者に現れる異常状態の連鎖(疾患連鎖)の総体として捉えている.本発表では,疾患連鎖の概念化をオントロジー的な観点から議論する.
発表資料: (703KB, updated 2011.06.21 15:30)
16:50~17:00 全体議論
17:00~18:00 宿泊案内・休憩・入浴
18:00~20:00 懇親会
20:30~22:00 ナイトセッション
<6月23日(木)>
9:00~9:35 SIG-SWO-A1101-09
災害リスクおよび災害リスク対策知識の構造化と利用~オントロジー工学からのアプローチ~
○垂見晋也(株式会社エネゲート),古崎晃司(大阪大学),長坂俊成,臼田裕一郎,佐藤隆雄,池田三郎,李泰榮(防災科学技術研究所),溝口理一郎(大阪大学)
本研究は専門知識を有しない一般市民が災害リスク情報を活用するための支援方策として災害リスクオントロジーを開発し,災害リスクオントロジーを利用した統合的な情報提供を実現することを目的としている.ここではその成果の一部として防災タスクモデルとそれを利用した情報提供手法について述べる.
発表資料: (1.49MB, updated 2011.06.17 14:45更新)
9:35~10:00 SIG-SWO-A1101-10
細胞死に関する不確定要素を含むオントロジー記述方法の提案
○山内千尋(早稲田大学 大学院人間科学研究科),小島一晃,松居辰則(早稲田大学人間科学学術院)
本研究では細胞死に関する知識をデバイスオントロジーにおいて記述し,個々の概念がどのような機能を果たすかという視点から対象領域を整備する.このような方法によって,存在が曖昧な個々の概念や概念間の関係を,機能や機能間の関係に写像する事により明らかにする事を目指す.
発表資料: (1.65MB, updated 2011.06.16 14:00)
10:00~10:35 SIG-SWO-A1101-11
集合論とOWL Full
○小出誠二(情報・システム研究機構新領域融合研究センター), 武田英明(国立情報学研究所)
集合論はRDFおよびOWL意味論の基礎である.ところが,RDF意味論はラッセルのパラドックスを招くという誤った攻撃がコミュニティの一部から行われた.本論文でははじめに包括原理とラッセルのパラドックスを紹介し,その数学的解決であるツェルメロの分出原理について概観し,オントロジー的解決であるKIF3.0 の集合論を紹介する.次にラッセルの分岐タイプ理論(Ramified Type Theory) を紹介し,OWL Fullの根拠,およびRDF意味論とOWL意味論は矛盾無く統合し得ることを述べる.
発表資料: (2.56MB, updated 2011.06.16 14:00)
10:35~10:50 休憩
10:50~11:15 SIG-SWO-A1101-12
授業内容に基づく知識体系の構築
○川端智久,白井靖人(静岡大学)
用語抽出やクラスタリングを用いたシラバスの分析によって知識体系の構築を自動化し、学問分野の知識体系を新しく構築する労力を軽減した。
発表資料: (214KB, updated 2011.06.16 14:00)
11:15~11:40 SIG-SWO-A1101-13
情報資源利用者によるメタデータ利活用モデルの提案
○本間維,永森光晴,杉本重雄(筑波大学図書館情報メディア研究科)
RSSやRDFaなどの形式で記述されたメタデータは検索サービス事業者等によって蓄積され,情報資源の関連付け等に利用される.その一方,情報資源利用者は日頃接しているはずのメタデータの蓄積・再利用を行ってはいない.本研究では,情報資源の利用者自身が接触したメタデータを蓄積・利活用することで情報探索や想起の支援を行うメタデータ利活用モデルを提案する.
発表資料: (525KB, updated 2011.06.16 14:00)
11:40~11:55 SIG-SWO-A1101-14
異なるパラダイムのメタデータスキーマを基礎とするマンガのためのアプリケーション構築プラットフォームの開発
川向直樹,本間維,孫外英,○三原鉄也,永森光晴,杉本重雄(筑波大学図書館情報メディア研究科)
我々はこれまでマンガに関する書誌情報、知的内容、ページ内の構造情報などを表現するメタデータスキーマを複数考案してきた。本発表では、それらのメタデータスキーマを利用して、マンガの検索アプリケーションやマンガ制作管理アプリケーションなどを構築するためのプラットフォームの提案を行う。
発表資料: (1.61MB, updated 2011.06.16 14:00)
11:55~12:00 閉会の挨拶